合同災害訓練を実施しました
事務のUです。
藤井寺市民病院閉院に伴い、当院は今年4月から藤井寺市の災害医療センターの役割を担うことになりました。
そのため6月30日(日曜日)午後、初めての合同災害訓練を実施しました。これだけの規模の訓練は当院初の試みでした。
合同訓練の参加機関は、藤井寺市役所、藤井寺保健所、大阪南消防組合 柏羽藤署、府立はびきの医療センターと、医療法人ラポール会の藤井寺市にある3病院(青山病院、青山脳神経外科病院、青山藤ヶ丘病院)です。
市議会、医師会、区長会からの来賓、見学の方々を含めると100名を優に超える人たちが訓練に参加しました。
〔開会〕
ラポール会理事長、藤井寺市長、藤井寺市医師会長の挨拶のあと、訓練が始まりました。写真は市長です。
〔災害内容〕
藤井寺市内で震度5弱の地震が発生し、藤井寺市内で集合住宅の倒壊、負傷者が多数でた。病院の建物・設備に異常はなく診療継続可能であるという設定です。
〔本部の訓練〕
訓練シナリオに沿って発災直後から市と連絡調整開始。市災害本部から当院災害対策本部に市災害医療センター開設の要請を受ける。
やるべきことが沢山ありました。ここでは詳細は省きます。
〔災害現場・医療現場の訓練〕
1)現場指揮本部
災害現場でレスキュー隊が一次トリアージ
〔トリアージについて(重症度判断)〕
トリアージタグは下から緑・黄・赤・黒の順になっており、トリアージの結果の色が一番下になるように切り取ります。タグを付ける位置は右手首ですが右手を負傷している場合は左手首になります。このように身体状況によって付ける場所が①右手首→②左手首→③右足首→④左足首→⑤首の順になります。
カラーの意味と今回の各エリアの設置場所
緑(治療不要もしくは軽処置群 軽症)……緑エリア…屋外テントで経過観察 帰宅
黄(非緊急治療群 中等症)……黄エリア…院内の診察室
赤(緊急治療群 重症)……赤エリア…院内の救急外来
黒(救命困難群)……黒エリア…別館
左は一次、右は二次用 裏表になっている。
負傷者役は20名(市役所職員10名、病院職員10名)
病院に搬送
2)病院前(屋外)のテントで医師・看護師らによる二次トリアージ 時間経過とともにここでトリアージ結果が変更することもあります。
3)搬送…各エリアに搬送 赤・黄は本館
ストレッチャーが足りず担架で搬送
4)各エリア
・赤エリア(緊急治療群:3名の設定)……2名入院になる。1名処置の甲斐なく黒(救命困難群)に変更になった。
・黄エリア(非緊急治療群:5名の設定)……1名妊婦破水ではびきの医療センターに転送依頼の連絡。必要な処置・検査施行 2名入院になった。
・緑エリア(治療不要もしくは軽処置群:11名設定)…屋外設置 必要な処置施行 様子観察 帰宅
・黒エリア(救命困難群:1名の設定)……別館に設置 赤エリアから変更の1名追加になり2名になった。
〔閉会〕
大阪南消防組合柏羽藤署長の総評にて終了しました。
〔反省会〕
片付け終了後に反省会をしました。病院職員間で11台のインカムを使用したが情報・連携が不十分で混乱した部分があった。この他にも課題が分かったことで今後に活かしていく。訓練を重ねることが重要である。年に一度は実施することに決まりました。
最後に理事長から、今回は災害訓練の一部分であり、夜間や診療時間帯の発生を想定したマニュアルや訓練も必要である。大規模災害発生時においては地域の医師会との連携・協力が必須であり地域あげて災害医療を担っていく。
〔私的な感想〕
レスキュー隊の動きが、どこをとっても俊敏で正確で素晴らしく感銘を受けました。梅雨の真っ只中の開催でしたが、災害は天候に関係なく起こるので雨天決行を予定していましたが、降り続いていた雨が昼前には止み、また夕方から降りだしたのでお天道様まで応援してくれているのかなぁなんて思ってしまいました。実際に災害が起こった時の為に日ごろから危機意識を持ち、初動で自分が何をしないといけないのかを考えておかなければと思いました。